普段けっこうゆるめなトピックについて語っていますが、今日は日本が産業構造的にもたらしている国としての課題について私なりに考察してみたいと思います。私は大手のメーカーで勤務している社会人2年目です。去年1年間を通して自分の所属している企業について色々と考える機会が多かったのでまとめてみました。
私が1年間を通じて思った日本企業の印象は
「健康で文化的な中流程度の生活を営む権利を保証した社会主義組織」です。
なぜ私がこのように感じたかということは下記3点が原因です。
ボーナスがボーナスでない!?
この文面だけ見るとちょっと理解できないという方が多いと思われますが、私が言いたいのはこういうことです。基本的に大企業というのは組合というものがあります。この組合が会社と交渉して給与交渉をする、福利厚生の改定を行うといったことをします。つまり、組合員は一蓮托生で皆の給与を月額2500円上げよう!みたいなことが起こるのです。
組合費が月5000円とか10000円するのにおかしなことですね。。。
もちろん給与だけでなくボーナスにも同じようなことが起こるわけです。組合員は雇われの身であるため職級・評価によって多少のボーナスの変動はありますが、基本的には大きな変動がありません。下記に例のボーナスを載せてみました。参考にしてみてください。
例:5段階評価:社会人1年目冬―(A評価60万円、B評価55万円、C評価52万円)
これで、我々はまっとうな人事評価を用いて社員を評価しているのです。と言われてもあまり納得がいきませんよね。なんなら人事評価をしている時間がcost benefitの観点で無駄な気さえしてきます。(笑)
このような賞与だと働けば働くほど効用は落ちていくのが想像に難くないですよね。つまり結果を出せば結果を出すほど損をするという社会主義的システムが横行しているのです。
(ひたすら不毛な残業をして残業代申請をする人は別ですが。。。)
現在日本は国として社会主義を取り入れています。しかし、評価システムはこのように社会主義的なシステムを導入しているのです。独裁者にそのうち天罰でも下るのではないでしょうか。。。(笑)
圧倒的福利厚生
福利厚生に関して大企業は基本的に1通り揃っています。モンスター組合に対して、企業として最低限のサービスを提供していますよということを証明できないと顔が立たないために、大企業の基本的な福利厚生はかなり良いです。
こう聞くと問題ないのではないかと思う方も多いと思われますが、この福利厚生が意外と行動の足かせになるケースが多いのです。
住宅補助・社宅・寮制度:企業に属している際は「安くいい場所に住めるなんて最高だ」と考えることができますが、よくよく考えてみると「会社のおかげで住む場所に困らなくてすむ」というように会社に縛られる状況が出来上がっているのです。
加えて、日本企業は年功序列のため若いときの給与は非常に低いです。都内で独り暮らしなどしようものなら、老後2000万への到達など到底できない事でしょう。
もし福利厚生での住居提供という形ではなく、給与という形でベース及びインセンティブに反映されていたらよほど自由が利くことでしょう。
↑こう思う方は外資系に行きましょう。日本の外資系だと首切りは海外と比べると非常に緩いです。
結果よりも、飲み会ゴルフ
日本企業で出世しようと思うと、第一に必須となるのは飲み会をそつなくこなすスキルとゴルフです。人生何が楽しいんでしょうか。休日まで会社の人と過ごすだなんて信じられませんよね。私はこれをプロフェッショナル意識の欠如だと考えています。
結果を出してもボーナスに反映されることもないのであれば、そこそこの頑張りでぬるぬると飲み会に行ったほうが楽であると考えた人が多数になった結果飲み会・ゴルフに逃げる人が増えたのではないかと思います。
まともな思考回路を持っているのであれば、夜12時まで2次会3次会と行くのは次の日の生産性が落ちるのは明白です。それでも、こぞって皆行きたがる様子を見せているというのは、結果など無意味で飲み会こそが出世に必須であるということを肌で感じている方が多いからだと思います。
社会主義的組織がもたらした馴れ合い慣行ですね。きっと脳の思考を停止させて適当にやり過ごすのが日本社会での正しい生き方なんだと思います。
まとめ
人事制度の評価が高度経済成長時代から進歩しなかった結果今のように残念な社会システムになってしまったのだと思います。文明開化を経て、民主主義だ資本主義だと騒いでいたのにもかかわらず結局猿真似資本主義で本当の競争原理というのは生まれていないのを肌で感じます。
実力のあるものを引き上げようと新卒1000万給与を打ち出している企業もありますが、社内で叩き潰されてねたまれた結果実力を発揮できないというのが目に浮かびますね。
海外の友達に“Why did you want to come to Japan”と聞いたときに”I wanted to see the only homogeneous country in the world”と聞いた衝撃は未だに忘れられません。日本は好きだけど生まれるの100年くらい早かったのかなぁ。。。
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